世界初の鉄道線路内ソーラー発電システム
世界初の鉄道線路内ソーラー発電システムを開発(特許登録26年6月)、鉄道の線路内に太陽光パネルを設置して鉄道の動力電源相当量の発電するシステム、もしこのシステムが全国の全線路に採用したと仮定すると、再生エネルギーだけで日本の新幹線を除いた全ての在来線の動力電源をカバーできる可能性があるシステム
現在開発中の蓄電池システムと線路内太陽光発電を組み合わせれば、再生エネルギーだけで電車が永久に走り続ける夢のゼロエミション時代が来る。その結果、温室効果ガスの排出の大幅な削減が出来る可能性がある。
鉄道業の年間電力需要実績は177億1313万kwh,全体の6%(24年度資源エネルギー庁資料)でその内、鉄道動力電気消費量は約50%(JR東環境報告書より)と推定すると、約86.5億kwhになる、日本全国の鉄道業の総営業キロは約3.5万kmであり、仮に線路総キロ数が6万kmだとすると、全国の線路にこの線路内太陽光システムを採用すると、総発電量は鉄道動力電気消費量の約87億kwhと同等になる。その場合の削減できるCO2の削減量は約483万トンになる。
2000kw級の広さ2万坪のメガソーラー発電所の約4000ヶ所分に匹敵する。
メガソーラー発電所のスペースが足りない。
3・11の東日本大震災以来、我が日本では再生可能エネルギーである太陽光発電が注目されているが、残念ながら 十分なシェアの拡大には至っていないのが現状、大型のソーラー発電事業体も多く出現しているが、太陽光パネルで2000kwの発電をするには、約2万坪の用地が必要で、設置場所探しに苦労しているのが現状である。
しかし鉄道線路を利用して2000kwの発電するには線路の長さ約15kmで可能であり、しかも総工事費用は2万坪のメガソーラー発電所の場合は総工費が平均10億円前後に対し
半額の約5億円~6億円(推定)で2000kwの発電が可能。
ローカル線の赤字対策による経済効果
地方ローカル線は少子化による人口減少化の影響で、経営赤字に苦しみ、廃線の危機に晒されているのが現状である。その赤字対策としてこのシステムを導入することにより、黒字化が可能になり、地方の活性化に期待出来る。
ローカル線イメージ写真
全国の赤字ローカル線52社、2100kmにすべて太陽光パネルを設置するとした場合
・使用パネル数 140万枚
・発電量 38万KW
・年間発電量 41億8千万kWh
・年間電気代換算 730億円(18円)
「線路内太陽光発電」で発電した電気は「き電線」を経由して近隣の公共施設に供給する事が可能。
地方ローカル線の10kmに、設置した場合(概算)
・使用パネル 約8,000枚
・最大出力 約1,600KW
・ 年間発電量 約176万kWh
・年間売電価格 約6,333万円(売電事業売上1kWh/36円)
・投資コスト 約4億円(6年で回収)
これは、太陽光パネル1万枚、発電量2000kwクラスの大型メガソーラー発電所の140ケ所分で土地の広さ280万坪に匹敵する。
これにより約800億円前後の事業投資が見込め、雇用の拡大、地方経済の活性化、地方自治体の税金使途の効率化、太陽光関連の企業に発注され、パネルメーカーに対して150万枚の発注に繋がります。ローカル線の一社あたり平均で約3億円の売電収入見込め、今後20年間保証される。この線路内発電の公共事業投資金額は全額償還が可能。
太陽光発電だけで電車が永久に走り続ける時代が来る。
線路内太陽光発電と蓄電池システムを組み合わせれば、近い将来は再生エネルギーだけで電車が永久に走り続ける時代が来る。
線路内に設置した太陽光パネルで発電した電気を蓄電して電車を走らせる事が可能である。
線路脇にメガソーラー発電所を建設して変電所に送電をするには限界があり、線路内で発電をして蓄電しながら電車を動かす事が可能である。
さらに、ディーゼル車区間でも蓄電池電車に切換えれば、太陽光発電の電気だけで電車の運行が可能で、Co2排出量の削減につながります。
発電量と温室効果ガスの削減量
(太陽光パネル200W、1500×900) CO2係数 0.55kg/kw
設置線路キロ数 |
使用パネル枚数 |
年間発電量 |
温室効果ガス削減量 |
1km |
666枚 |
14万6.520kwh |
80トン |
10km |
6.666枚 |
146万5.200kwh |
805トン |
100km |
6万枚 |
1465万2.000kwh |
8.058トン |
1.000km |
66万枚 |
1億4.652万kwh |
8万580トン |
1万km |
666万枚 |
14億6.520万kwh |
80万5.800トン |
6万km |
4.000万枚 |
87億9.120万kwh |
483万4.800トン |
究極のソーラーシアリング
赤字ローカル線の場合、鉄道会社は通常通り鉄道を営業しながら、太陽光発電の売電収益が見込める、典型的なソーラーシアリングである。
線路内は、最も太陽光発電所に適した場所である。
鉄道線路内は、既に整地されたバラス(砂利)の上に枕木があり、その上に頑丈な鉄製のレールを固定してある、そのレールにワイヤーで太陽光パネルを固定する方式のため、樹木の伐採、整地、架台制作等の基礎工事が不要の為、鉄道線路内が超効率、超ローコストの太陽光発電所になる。
現在日本では一般住宅の屋根、マンションの屋上、工場の屋根、商業ビルの屋上、ゴルフ場の跡地、遊休地を利用したメガソーラー、工場団地を利用したメガソーラー、水上を利用したメガソーラー等、様々な場所で太陽光発電が行われているが、この線路内太陽光発電システムが費用対効果で一番のローコスト工法である。
その理由
1.整地のための基礎工事が不要
鉄道線路内は整地作業や伐採作業、架台設置の必要が無く、いわゆる基礎工事が不要
太陽光パネル取付け作業は鉄道作業員が代行可能で、取付け人件費の大幅な節減になる。
但し、ディーゼル車を使用の鉄道には送電設備が必要。
太陽光パネルは、新素材の絶縁ワイヤーを使用。線路の保守・点検作業の際には、ワンタッチ式で脱着が可能な為、枕木の交換、突き固め作業、バラストの調整等のメンテナンスの作業の妨げに成らない様に考慮されている。
実験の実施
JR鉄道総合研究所で、パネルを設置して、その上に試験用電車を走行させ振動を計測する、又実験用の風洞を使用して風圧を測定して、それに耐えうる固定方法を開発。
振動実験風景
風洞実験装置(泉創研)
6、人口等の地域の優位性がなく、ヘキ地でも平等に発電をする。
人口密度、立地条件、土地の価格、沿線住民等の優位性の格差は無く、線路と日照さえあればすべて平等に発電をして、売電売上がある。
線路内太陽光発電
廃線になった線路や未使用線路の場合
今後の課題
地方のローカル線の場合、最大の課題はファイナンスでる、超ローコストで資金回収が短期間とはいえ、一時的に数億円の資金を調達しなければならない、地方の鉄道会社に資金調達が可能になる様に、民間金融機関、地方自治体等がお互いに協力して、新たなアイデアを出す必要がある。
今後の方針
この線路内ソーラー発電システムは、日本はもちろん世界初の試みで、十分に安全性と発電の検証が不可欠です。環境省、資源エネルギー庁(NEDO)、鉄道会社、電力会社、パネルメーカーで詳細に連携して、実証実験を実施して、実用化に踏み切る必要が有る。